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創業融資の自己資金はいくら必要?目安と「認められるお金」

最終改定日:2026年10月20日

※ この記事は制度の一般的な内容をまとめたものです。要件・期限・優遇の内容は法改正や自治体によって異なる場合があります。 実際の手続きの前に、市区町村・法務局・税務署などの窓口や公式サイトで最新の情報をご確認ください。個別の判断は税理士・司法書士などの専門家にご相談ください。

この記事のポイント

  • 日本政策金融公庫の創業者向け融資(新規開業・スタートアップ支援資金)は、2024年4月の制度見直しで、 それまでの「創業資金総額の10分の1以上の自己資金」という要件がなくなりました。
  • ただし審査では自己資金の額と貯め方が重視されます。一般に「創業資金の3分の1程度」が一つの目安と言われます。
  • 大事なのは金額だけでなく、計画的に準備してきたことを通帳などで説明できることです。

自己資金はいくらあればいい?

制度上の要件がなくなったからといって、自己資金ゼロで借りやすくなったわけではありません。 自己資金は「事業にどれだけ本気で準備してきたか」「事業がうまくいかなかったときに耐えられるか」を判断する材料として見られます。 創業資金の総額ごとの目安は次のとおりです。

創業資金の総額10分の1(旧制度の要件)3分の1(一般的な目安)
300万円30万円約100万円
600万円60万円約200万円
1,000万円100万円約333万円

※ 目安であり、必要な額は業種・経験・事業計画によって変わります。融資の可否や金額は金融機関の審査で決まります。

自己資金として認められやすいお金・認められにくいお金

認められやすいもの

  • 給与などから毎月コツコツ貯めてきた預貯金(通帳で貯めてきた経過が分かるもの)
  • 退職金
  • 事業のためにすでに支払った設備・備品・保証金など(領収書・契約書で確認できるもの)
  • 親族からの贈与で、贈与契約書や振込の記録で説明できるもの(扱いは金融機関の判断)

認められにくいもの

  • 申込みの直前に一時的に入金されたお金(いわゆる「見せ金」)
  • 消費者金融やカードローンなど、借りたお金
  • 出どころを説明できない現金(タンス預金を入金したばかりのものなど)
  • 返済が必要な親族・知人からの借入れ(借入金として扱われるのが一般的)

通帳の履歴が見られます

面談では、預金通帳(半年〜1年分程度)の提出を求められるのが一般的です。毎月少しずつでも貯めてきた記録は、計画性を示す材料になります。 逆に、まとまった入金の理由を説明できないと、自己資金として扱われないことがあります。

自己資金のほかに審査で見られること

  • 事業に関係する経験:同じ業種での勤務経験や、資格・実績があるか。
  • 事業計画の具体性:売上の見込みの根拠(想定する顧客・単価・件数)、必要な設備と費用の見積もり。
  • 個人の信用:クレジットカード・ローン・携帯電話料金・公共料金・税金などの支払いの遅れがないか。
  • ほかの借入れ:自動車ローンや奨学金など、返済中の借入れと返済の負担。

事業計画書の書き方は、自治体や商工会議所の創業セミナー・創業塾で学べます。日本政策金融公庫の職員が講師を務める回もあります。資金調達・融資のセミナーや創業・起業のセミナーから探せます。

自己資金が足りないときの選択肢

  • 開業の時期を少し遅らせて貯める:数か月でも毎月の積み立ての記録ができると、説明しやすくなります。
  • 小さく始める:設備を中古やリースにする、自宅やシェアオフィスで始めるなどして、創業資金の総額そのものを減らします。
  • 自治体の制度融資を検討する:自治体・金融機関・信用保証協会が連携した創業者向けの融資です。自己資金の条件や利子・保証料の補助は自治体ごとに異なります。
  • 特定創業支援等事業の優遇を使う:市区町村の創業支援を受けて証明書をもらうと、創業関連保証の特例や、日本政策金融公庫の融資での優遇を受けられる場合があります(制度の解説)。

補助金は「後払い」です

創業者向けの補助金は、原則として経費を支払った後に交付されます。開業時の資金繰りには使えないため、融資や自己資金と組み合わせて計画しましょう。

相談先

融資の制度や必要書類は、日本政策金融公庫の窓口や、地域の商工会議所・商工会の創業相談で確認できます。 事業計画書の数字づくりに不安がある場合は、税理士などの専門家に相談する方法もあります。